尊厳死と混同してはいけない。京都ALS患者安楽死事件から考える尊厳死と安楽死

2020-08-22

事件の概要

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者の依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして、京都府警捜査1課は23日、いずれも医師の大久保愉一容疑者(42)=仙台市泉区高森4=と山本直樹容疑者(43)=東京都港区海岸1=を嘱託殺人の疑いで逮捕した。

2人の逮捕容疑は2019年11月30日午後5時半ごろ、無職、林優里さん(当時51)=京都市中京区=の自宅マンションで、本人の嘱託を受けて殺意をもって薬物を投与し、同8時10分ごろ、搬送先の病院で急性薬物中毒により死亡させた疑い。

[引用元]日本経済新聞

三浦春馬さんのことがあっての、この事件。こういった事件があるたびに命というものについて考えさせられますが、普段から考えるべきなのかもしれませんね。

その三浦春馬さんは以前ドラマでALS患者を演じておられましたが、ご本人も周りの愛する人も、本当に苦しく、悲しいドラマだったのが印象的です。

『死にたい訳じゃない、生きるのが怖いんだ』 ・・・

ALS患者について

今回この事件の患者さんは、24時間ヘルパーさんに看てもらっていたようですが、筋力低下により身体も動かせず視線入力しているような状態だったようです。前述のドラマ「僕のいた時間」でもシーンがあったように思います。

尊厳死は認められず、安楽死を選んだALS患者さん。

本当に、苦しい決断です。ALS患者の方で呼吸ができない場合は、このような、二度と変更ができない命に対する決断を迫られるタイミングがあるのです。

有罪となる安楽死とは

死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合でも、医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。延命措置を行わないこととは、明らかに異なりますし、日本では患者を安楽死させた事件では、いずれも医師の有罪判決が確定しています。欧米などでは、この安楽死を合法的に認めている国・州がありますが、日本尊厳死協会は安楽死を支持していません。

[引用元]日本尊厳死協会

一方、尊厳死とは

 尊厳死(治療行為の中止)が許容されるために、次の3つの要件を充足することを求めています。
 第1に、「患者が治癒不可能な病気に冒され、回復の見込みがなく死が避けられない末期状態にあること」
 第2に、「治療行為の中止を求める患者の意思表示が存在し、それは治療行為の中止を行う時点で存在すること」(原則要件)
ただし、これについては、「中止を検討する段階で患者の明確な意思表示が存在しないときには、患者の推定的意思によることを是認してもよい」(例外要件)とされています。
 第3に、「治療行為の中止の対象となる措置は、薬物投与、化学療法、人工透析、人工呼吸器、輸血、栄養・水分補給など、疾病を治療するための治療措置及び対症療法である治療措置、さらには生命維持の為の治療措置等、全てが対象となってよいと考えられる」としています。
 尊厳死は、患者の「自己決定権」を尊重するということに由来しています。尊厳死は、治療行為を中止するためには、それを求める患者の意思表示が存在することが必要であり、しかも、治療行為の中止を決定し、それを実施する段階でその意思表示の存在が認められることが必要なのです。

[引用元]行政書士 家族愛法務事務所

治療中止を実施する段階でその意思表示の存在が認められることが必要。そこで「リビングウィル」という事前文書が存在するようです。

私の祖母もあと長くはないといった段階で、24時間入院中に付き添ってくださったヘルパーの方が、祖母が食べたいと言った食べ物をこっそり用意していたのを思い出しました。それが良い悪いでなはく、祖母本人のことを考えたらと思うと家族として否定はできませんでした。尊厳死とは少し違うかもしれませんが。

さいごに

本人が死にたいと言っていて、ただ生かされて苦しむだけとは本当に言葉に表せないほど辛いものであることは想像できます。尊厳死とは認められず、安楽死も法的に認められない。 自分なら、耐えることができそうにもありません。

悲しく苦しい決断を迫られたり、今回のような事件が起きてしまうほどご本人を苦しめるALSという病。一刻も早く治療法が出てくることを願ってやみません。

また、若くてもいつ起こるかわからないのが事故や病気です。他人事と思わず、しっかりとご家族と話をしておきたいところですね。

リビングウィルについても、しっかりと調べてみたいと思います。